昨年11月、佐久の中込の三河屋食堂にふられて寿司を食った顛末があった。半年ぶりに鯉を堪能しようと宿を取った。4月15・16日の両日はフェーン現象の影響らしく記録的な温暖で、春の信州ツーリングなのに抜群に快適だった。
チョイスしたコースも悉く気に入り、トラブルも皆無で最高。フルフェイスに隠れた我が相貌は終始ニヤニヤが止まらない。
将来のためにルートを記録しておこう。
初日 世田谷から環八で関越道練馬〜東松山
関越道東松山から254で「きじやま」交差点を通過。
R254で藤岡方面へ向かう。途中、JA埼玉中央 小川農産物直売所
きのこ肉汁うどん(780円) 腰がある武蔵野うどんと甘い汁。豚ばら肉の脂と数種類のキノコの出汁が旨い。バラックのような建物だが、近所のおばちゃん達が10人ほどワーきゃー言いながら働いてる雰囲気がとっても良かった。
藤岡・富里と退屈な254を通り、道の駅下仁田の手前、上ノ谷戸交差点を左折してお気に入りルートに入る。
南牧村を抜けて田口峠を越えて信州に至る。前回10月3日に通ったときは気温が低かったし初訪問だったこともあり、やれ酷道だの遭難か!などとビビりまくっていたんだけど、今回は道の状況も把握しているうえにポカポカ陽気。最高に楽しむ。
桜も見事に満開。
下仁田臼田線(県道93号)に入り田口峠で県境を越える手前に、不思議な広場を発見。古い石橋を渡ると。
そこは田口小学校狭岩分校跡だった。旧校舎は11年前に解体されたようだ。参考サイトはこちら(http://ruinsrider.blog.fc2.com/blog-entry-7.html)
試しにYoutube動画の埋め込みしてみたんだけど、滅茶苦茶時間かかるし動画ってのは実にメンドウだね。ユーチューバーってすごいな。
峠を越えてしばらくすると渓流の川幅が拡がる。
雨川ダムでせき止められたエメラルドグリーンの湖。よく観るとオフロードバイクのライダーが湖畔で黄昏れている。おお、素晴らしいぞ、同志!といった気分になる。是非行ってみたい。野営したい。
前回の駅前旅館から、やはり激安のホテルに変更してみた。こちらは屋根付きのパーキングがあるので悪くない。宿としてはあまりにも古いので、決して快適ではない。酔って寝るだけの宿だ。
やっと出会えたよ鯉料理。悩んだが、今回は単品のアライと鯉濃で勝負だ。まずは瓶ビールをかっくらってからのアライ。山葵醤油で。実に旨し。
しばらく焦らして鯉濃の登場。おお、魚卵がたっぷり。好物の腹回りで内臓もたっぷりだ。
ビールの後はお酒かな。冷酒でもと女将さんに「そろそろ日本酒でも」と声をかけると「寒竹でいいですね。燗ですね」
おお、デフォルトで寒竹の燗なのか。初めてだ。とても良かった寒竹の燗。ただし、鯉濃がもっと濃い味付けだったら酒のアテに合ってたんだが、あまりにもお上品なのが実に残念だった。見た目的にも薄そうでしょ。山椒をガンガンに入れて誤魔化してみた。
翌朝の朝食。まあまあ、こんなもんでしょ。
今回の目玉の一つが、中込駅から5分ほどの高柳公園。バス停もある。桜も満開。
市の公園なんだけど、元々は神社だったようだ。
平日の朝から見知らぬオートバイ乗りが彷徨いているのが余程不審だったようで、住民の間では警報が鳴り響いたらしい。10mほど距離を空けた状態でチラ見をしてくるおばさま数人。我がルーツを探る風情は一気に吹き飛んでしまった。ああ、当たり前だけど歓迎されないんだろうなと踵を返したのであった。
高柳公園から祖父の故郷の羽黒下まで移動する。
老夫婦に声をかけられた。実物のロイヤルエンフィールド、初めて観たと。そりゃそうだろう。都内でも滅多に観れないのに、ここは最果て羽黒下。(1㎞隣の海瀬駅が「日本一海岸から離れている」ので、まあ最果てといっても構わないだろう)
商店街は、ほぼ壊滅的といっても過言ではない。海瀬館の復活も難しそうだ。何とかならないだろうか。
二年前の2022年春に訪れて好感度爆上がりの井筒長。今日は時間が早すぎて直売所も開いていない。
秩父事件の記念碑訪問者用のトイレをお借りする。
事前に走行ルートは計画してるんだけど、通行止めが多いため変更が続くのだ。小海から県道2号で馬越峠へ向かう。
南相木村役場
馬越峠。この二日間で川上村だけは寒い。予備に持ってきた薄手のパーカー+メリノウールの肌着を着込む。
あれに見えるは南アルプスの甲斐駒ヶ岳とか北岳ってことになるのか?知らんけど。しかし富士山に次ぐ日本第二の高峰でありながら恐ろしいほど低い知名度が逆に素敵。
峠を越えて川上村。本日の昼飯だ。(朝飯食ったばかりで腹は減ってないけどね。)お目当ての善慶庵は11時からの開店。所が快走過ぎて10時過ぎに川上村に到着していまった。仕方なしに、川上村の蕎麦畑で時間を潰す。もちろん季節外なので荒涼たる空き地に過ぎない。
二年前に訪れた住吉神社で時間調整を行う。
小学校が行事で訪問するのだろうか。真新しい絵馬が奉納されている。
11時の開店と同時に善慶庵。
もりそば800円。大盛り1000円。以上。実にスッキリしたメニュー。しかし、お通しとして提供される惣菜が抜群に旨い。撮影前に喰ってしまったお出汁で炊いた暖かいお大根。お出汁やらお大根やらと丁寧に呼びたいほど優しい旨さ。杏も旨いよ。季節によってバリエーションがあるので、再訪が楽しみ。
で、川上村の蕎麦粉10割のざる蕎麦、まあ、旨い。秩父の何とか神社をすっと越えてきた。(「三峯神社の山麓亭」でした。この店は専門店というよりは土産物屋の軽食コーナーといった風情なのに旨いっていう点では最高レベルなんだけど、純粋に蕎麦専門の善慶庵の方が旨いのはある意味当たり前なんだろうね。でもこの当たり前が出来てないんだよね、蕎麦業界)
善慶庵から穂坂路とクリスタルライン(クソダサ名称、やめてくれほんと)。
木賊峠を抜けるルートを計画したいたんだけど、残念ながら通行止めだ。仕方なく増富へ。
ATOKで「とくさ」で木賊が変換できることに驚いた。
増富からみずがき湖を経由して信州峠を越えるお馴染みルート。
お気に入りの酒屋さんで一服。
標識は憐れな扱いになっているけど、なかなか快適な茅ヶ岳広域農道を快走して笹子峠に向かう。本日の最終ミッションは笹子だ。
一宮でたまたま見かけた慈眼寺の看板に誘われて寄り道。甲斐特有の果樹園に囲まれた美しいロケーションに佇む寺院だった。
いかにも甲斐一宮って感じの空気。
ここから一気に笹子峠の予定だったが、何と4月一杯は冬季閉鎖とのことで、退屈な笹子トンネルを抜ける。
不完全燃焼なので、初狩で右折して都留に抜け、大好物の秋山を通って道志ダムから青根・津久井湖というお決まりコース。
最終ルートがマンネリ気味だ。帰宅最終段階をどう楽しむかが今後の課題だな。
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