2025/07/12 青春の道 【HIZA-Drunken】

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バブル景気が崩壊し、失われた数十年というトンネルに入るなどと夢想もしなかった80年代。二十代の若者だった我々は仕事を終えるとこのストリートに集った。三茶の三角地帯などというワードは地元民しか口にしなかった時代だ。アフターファイブなのにアルコールを口にせず、マジックテープのフラップを引き剥がすタイプのださい布製の財布から小さなアドレス帳を引っ張り出して黒電話で連絡を取り、隙間だらけで、畳に安絨毯を敷いた四畳半に集った。皆が喫煙者だった。四輪でも路駐がデフォルトだった。もちろん毛髪は豊富で皮膚は脂ぎっていた。何も変わらないのはちゃんぽん屋だけだ。

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